怪人は ぶつかりそうで ぶつからない （ロシア）
☆コラムNo.4１ ぶつかりそうでぶつからない美学☆
「こちら、スレスレのところでぶつからずに擦れ違ってますね！
１分４０秒～２分のところ。」
Olympia Gatchina, RUS | 2012 World Formation Standard
「そうね、クイックステップで。
東西方向に走りぬく選手たちと、南北方向に走りぬく選手たちが見事に擦れ違っていて見応えあるわね。」
「いや～でも、ぶつかりそうでハラハラしますってば！
人生は、安心・安全が一番ですって。」
「まだ若い珊瑚（サンゴ）ちゃんが、何言っちゃってるかな！？
せっかく神様から人間として生まれさせてもらったんだから、もっと冒険して人生を楽しまなくちゃ！」
「なんか話がダイナミックにそれてますが・・・
若いうちは冒険しろとか、確かによく言われますけど～」
「う～ん、その言い回しも、私はあまり好きじゃないのよね。
年齢を重ねたら色々あきらめなさい、って言われてる感じがして。
いくつになったって、やれる範囲であれば、やりたいことはどんどんやったらいいと思うのよね！」
「まあ、ドキドキハラハラなものの方が面白いのは確かですね。
映画にしても体操競技にしても、ぶつかりそうでぶつからないフォーメーションにしても。」
「そうよフォーメーション！
ぶつかりそうでぶつからないところに、美学があるんだから。」
（よしっ、軌道修正したぞ！）←元はこの子のせい
「それにしても、よくぶつからずに走り抜けられますよね～。」
「人間だもの、誤ってぶつかったり、ぶつかりそうになったりすることもあるわ。
それが本番なら、いかに観客に気づかれないようにするかが大事なんだけど・・・」
「けど？」
「アマチュアのフォーメーションだったから仕方ないかもしれないけど、ぶつかりそうになって、明らかにムッとした表情を見せた女性を見たことがある。
あれは見てて、すごく残念な印象だったわ。」
「ひぇ～、そんなところまで、見てる人は見てるんですね。」
「わざとぶつけようとしたわけじゃないんだから、そのへんは愛を持って、笑顔で許したいものだわね。
それが無理でも、せめて本番が終わるまでは頑張って笑顔で！」
「そりゃそうですね。
ところで愛と言えば、この動画は、愛をテーマにしたミュージカルオペラ座の怪人の音楽を使ってるんですね。」
「ええ、長く愛される素晴らしい音楽ね。
ちなみに、実は原作は、愛がどうこうという要素はまったく無い怪奇小説だったらしいわ。」
「へぇ～そうなんですね。
ちなみに、パール先生はこのミュージカル観に行ったことは？」
「あるわよ～
初演だったから、もう３０年以上前になるかな。」
「・・・！！」
（パール先生って何歳なの！？ まさか整形？）
「整形してません、観たのは子供の頃だってば！」←珊瑚の心の声が聞こえてる
コラムNo.４２へつづく！
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